電気の移動は、ほとんどの物体内であまりに早く生じるため、
さまざまな場所で(生じる)その変化をめったに測定することはできない。
さらに、そのために、
それらの振舞いに従う法則を観測により発見するような状況には無い。
それゆえに、そのような変化が一定の形で生じるガルバーニの現象は
この仮定を試験するにあたり、最高の重要性をもつ。
つまり、もしその仮説から導かれる結果がこれらの現象により完全に確認されるなら、
それは容認されるべきであろうし、
少なくとも、力の同じ制限内なら、
それ以上検討せずとも、すべての類似の研究に適用されるかもしれない。
これまでになされた観察から、
ある2つの、外観上似たような性質の素子により、
それらが同じ材料であろうと、また異なった材料であろうとも
それらの電気的な状態における相互の変化が生み出されるとき、
一方が、他方が得るのと同じだけの多量の力を正に失うのだ、
と推測される。
この後は、実験により示されるべきである。
即ち、物体は、熱理論における物体の熱容量と呼ばれるものと同じ関係を示すということである。
確立したこの法則は、将来、若干変更され、最適な場所で指摘されるだろう。
4.2つの素子EとE’が同じ大きさではないとき、
等しい要素(parts)(訳注1)の集合としてそれらを見なすことが、まだ許される。
素子Eが完全に等価な要素mから、
さらに別のE’が完全に等価な要素m’から出来ていると仮定すると、
そのとき、素子EとE’が、それらの互いの距離に比べて非常に小さいと考えるなら、
一方の素子の各要素から他方の素子の各要素までの距離は等しい。
素子Eの一部分に面した、素子E’のすべての要素m’の作用の総和は
E’の一部がEの一部に及ぼすそれ(作用)のm’倍になるだろう。
このように、互いに異なる素子の相互作用を突き止めるためには、
それらは,
検電力とそれらの持続時間の差だけでなく、それらの相対的な大きさの積も
比例項として採用しなければならない、
ということは明らかである。
(訳注1)ここで、素子(element)は要素(parts)の集まりとして仮定されている。とすると、電気素子は小さな物質=要素(parts)からできていることになる。よって、素子(element)のイメージは+または−に帯電した分子集団=物質であろう。
将来において、これを素子の大きさに関係した検電器の作用の総和と呼ばれるだろう。
それゆえに、同じ力がこの空間の全ての場所に及ぶ場合に、
電気の物質的な性質については、何も決定しようとせず、
−電気量、それが拡散される空間の大きさを掛けた力を理解しなければならない。
同じ観測(による所見)が、
おそらく正当な理由から、われわれの言語が存在する限り、
採用される全ての象徴的な数式に適用可能である。
素子がそれらの相対的な距離と比べて、ほんの小さいものとして見なされない場合、
個々の与えられた事例に関して、それらの寸法や平均距離から
それぞれ決定されるべき関数は
2つの素子の大きさの積に置き換えられる。
そして、それが使用されるところをFと表わそう。
(訳注:Fは寸法や素子間の平均距離といった例に相応する関数)