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              Mars Report by "NASA"/2019.2.13c
    NASAのオポチュニティ・ローバー、火星におけるミッションをついに終える



     

    ニュース|2019年2/13
    NASAのオポチュニティ・ローバーについて知っておきたい6つの事


    オポチュニティ・ローバーの轍を振り返って見る

    NASAの火星探査ローバー・オポチュニティ搭載の全景カメラによるこの景色は、2014年夏、ローバーが南部へ向かって進んでいったエンデバー・クレーターの東の縁の一部の方向に向かい振り返って見たものである。

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    15年経過してNASAのオポチュニティ・ローバーは最後を迎えたが、火星での成功はロボットの殿堂においてその地位を確立した。知っておくべきことは、大胆不敵にも火星で期待以上の成果をあげたということだ。

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    1.オポチュニティは双子だった。

    火星探査ローバー・ミッションは全く同じで、ゴルフカートの大きさの、太陽電池を動力とするローバー、即ちスピリットとオポチュニティ−を特徴としていた。スピリットは2004年1/4にグセフ・クレーターに着陸した。
    オポチュニティは火星の反対側の2004年1/24PST(1/25EST)にメリディアニ平原に着陸した。両ローバーはカリフォルニア州パサデナにあるNASAのジェット推進研究所により、NASAから管理されていた。

     

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    スピリットとオポチュニティの仕様
    この解説画像はNASAの双子のロボット地質学者、火星探査ローバー(MER)スピリットとオポチュニティを強調したものである。

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    2.オポチュニティとスピリットは、火星が古代において居住可能な湿気と温暖な環境を有していた可能性を示した。


    スピリットとオポチュニティの多くの科学上の発見の中の第一のもの、それは、火星は過去においておそらくもっと湿気があり、且つもっと温暖であった、ということだ。これらの条件は、生命が初めて地球に出現した時、一斉に火星において生命のためのゆりかごとして役立っただろう。

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    火星の‘ブルーベリーズ’

    オポチュニティはこの結論を見出すためのさまざまなカギ(手段)を提供した。このローバーは初めて地球以外の惑星で堆積岩を鑑定し、特性を明らかにした。オポチュニティの測定は古代のつかの間のプラヤ(窪地に出来る一時的な湖)に形成されたこれらの岩石を示した。またオポチュニティは、上昇する酸性の地下水により後に形成された“ブルーベリーズ“と名ずけられた球形の小さなヘマタイト(赤鉄鉱)をも発見した。かつてオポチュニティはエンデバー・クレーターの縁に達し、ローバーが鉱物を含んだ石膏の鉱脈−地下の裂け目を通って移動した水の証拠となる痕跡−を発見した。オポチュニティはまたエンデバー・クレーターの岩石内に、より注目に値する古代の火星の水の痕跡をも発見した。つまりそれは、中性(酸性でもアルカリ性でもない)の水の中に形成された粘土鉱物である。オポチュニティにより調査された場所はいろいろあるが、エンデバーの環境は古代の微生物の生命にもっとも好意的な条件であった。


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    3.オポチュニティは未公認の記録保持者である。


    オポチュニティは火星の表面でいかなる他のロボットよりも長く−14年以上作業した。これはオポチュニティとスピリットのために計画された本来90日のミッションを遥かに超えた。

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    オポチュニティは、火星での活躍中2014年に(地球とは)別の世界で最長の走行記録を確定しながらも、全部で28.06マイル(45.16km)を走行した。


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    エンデバー・クレーターの東の縁:NASAの火星探査ローバー・オポチュニティは、第2407火星日またはsol  にこの東部の水平線の風景を記録するため全景カメラを使用した。


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    4.オポチュニティは有能な小さなローバーだった。


    オポチュニティはそのミッションがより早かったなら、14年以上生き残っただろう。技術者らは直面した課題に臨機応変に対応しなければならなかった。例えば、ときどきローバーの右前輪に他の車輪よりも多くの電流が流れ込んだ。ゆえに技術者らはしばしば右前輪の寿命を延ばす為に逆向きにローバーを運転した。

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    この地形は油断できない。ローバーがイーグル・クレーターに到着した後、初めてクレーターの外へ移動しようと試みた時、その車輪はゆるい斜面で空転した。ローバー設計者らは脱出のための独創的な運転計画−斜面が31°の急勾配のエンデュアランス・クレーターでも行ったあること−を見つけねばならなかった。2005年4/26、オポチュニティの車輪は柔らかく、風に浸食された砂を掘ってしまい、“煉獄砂丘”で動けなくなり先の読めない数週間を過ごした。だが、JPLの模擬的な火星の砂箱で多面的な試験を行った後、チームはローバーを火星の砂の罠の外へ注意深く移動することができた。

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    オポチュニティは、太陽パネルに達する太陽光を妨げ、ミッションの脅威となる2つの砂嵐に遭遇した。
    それは、動きを最小限にし、さらに空が晴れたときに回復するためのバッテリの電力を十分に維持しつつ、2007年の砂嵐を生き延びた。不運にも、2018年の砂嵐は太陽光までも消失させ、約1か月以上オポチュニティの上空は暗黒のままとなった。


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    火星のエンデバー・クレーターを見下ろす‘ピリンジャー・ポイント’
    この、2014年5/14、NASAの火星探査ローバー・オポチュニティ搭載のPancamによる景色は、前景のエンデバー・クレーターの西の縁と水平線上のクレーターの東の縁の“ピリンジャー・ポイント”を捕えている。この景色の偽色により、表面の鉱物に違いが生じていることがより容易に見て取れる。


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    5.オポチュニティとスピリットは火星の美を我々に示した。

     
     
    高所からのオポチュニティの悪魔的な景観:尾根の高い位置から、NASAの火星探査ローバー・オポチュニティは谷の下方を渦巻く火星の砂の悪魔の画像を記録した。

    オポチュニティとスピリットは、火星にありがちなものを人間の尺度の視点で見せてくれる貪欲なドキュメンタリ作家であった。それらは、皆が享受できるオンラインで敏速に報告された342,000枚を超える原画像を返送した。これらの2つのローバーはまた驚異的に美しい31枚の360°カラー全景を産み出した。

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    オポチュニティが撮った最も記憶に残る画像は、創造の世界のような火星の美と探査のドラマを表していた。それは水上の波に似た砂のさざ波、クレーターの縁にある乱雑な岩石、渦巻く砂の悪魔と尾根に沿ったローバーの軌跡を含んでいる。


     



     


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    6.オポチュニティとスピリットの物語は終わりではない。それらの教訓は現在と未来の火星ミッションの中に生きている。


     
    ゴールデン・オポチュニティ、振り返る:このナビゲーション・カメラの原画像内で、NASAのオポチュニティ・ローバーが2010年8/4に自身の軌跡を振り返っている。
    火星探査ローバーの成功は、人工衛星と新機種のローバーのための支援を構築することで、NASAの火星プログラムの発展を後押した。スピリットとオポチュニティは、火星の移動ロボットがいかに(我が家である惑星・地球へ中継して返送するために、直接もしくは火星の周囲を回る衛星を利用することで)地球と確実に通信を行い、火星の地形をナビゲートするために3D画像を使用して、さらに自律して科学上の観測を行うかを示してくれた。

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    キュリオシティと来る火星2020ローバーはスピリットとオポチュニティの教訓の上に製造されている。そして、科学者らは、これからの数年の間に火星探査ローバーのデータから新たな発見をしつづけるだろう。




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    スピリットとオポチュニティは、多数の技術者らとそのロボットの力を借りて学んできた惑星科学者のために想像力に富んだ教育の場を提供してきた。多くの人々が他の宇宙ミッションをリードし続けてきた。現在、オポチュニティを運用する多くの人々は、時間の一部を他の太陽系探査ミッションに割きつつ、かれらの専門的知識(ノウハウ)を分かち合っている。ほとんどの場合、スピリットとオポチュニティの調整(作業)はずっと変化し続けている。

     

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