Mars Report by "NASA"/2018.07.26
     ”進捗報告(7/26,6/20,6/12,6/10,6/8)


NASA火星探査ローバー 進捗報告(7/26,6/20,6/12,6/10,6/8)


2018年7/26(木) 午後2:25(米西部時間)更新
 

火星上で惑星を覆い尽くす砂嵐の終焉の始まりだ。
だが、NASAのオポチュニティ・ローバーのバッテリを再充電し、さらに家に連絡するのに、空が十分に晴れるまでには、数週間もしくは数カ月もかかるだろう。
ローバーからの最後の信号は6/10だった。

この広大な現象−火星の大気の中に砂を噴出する一連の部分的で局所的な嵐に実は原因している−を観測している科学者らは、7/23月曜日のように、火星の厚い大気の中で上昇させられる以上により多くの砂が降下している、と言っている。
それはこの現象が衰退段階に達したことを意味する。
というのは、砂の上昇がより小さな領域でいつも起こっているとき、一方で他の場所では砂の上昇がすっかり止んでいるからだ。


多くの領域で、表面の地形が周回軌道から観測されるにつれて再度表れ始めている。
これは地上で望遠鏡を通して実際に目で見えるはずだ。
翌週、火星は2003年−赤い惑星を観測するには特別に良い時期であった−以来地球に最接近するだろう。
その間に、ゲイル・クレーターにいる原子力の火星科学研究室/キュリオシティ・ローバーは頭上の砂の中で(パワー)衰退に注意してきた。

火星の中層大気の温度はこれ以上上昇することはなく、ある領域では下がり始めている。それは砂によって太陽熱をほとんど失っていたことを示す。

この変化はNASAの火星リコネッサンス・オービター(MRO)の火星カラー撮像装置(MARCI)の広角度カメラと火星気候サウンダー(MCS)の温度観測装置により認められた。
MARCIはサン・ディエゴのマリン宇宙科学システムズ社により管理されている。
MSL、MRO、MCSはNASAのジェット推進研究所により管理されている。


全てのNASAの火星宇宙船は、オポチュニティの任務を支援するためとこの広大な現象に関する独特の自然科学を収集するためにこの嵐を観測しきた。


 


2018年6/20(水) 午後1:20(米西部時間) 更新


サンディエゴのマリン宇宙科学システムズ社のブルース・キャンターによると、
6/19火曜日の朝のように、火星の砂嵐は大きく成長し、公式に“惑星を覆う”(または“広域の”)砂現象であった。かれはNASAの火星リコネッサンス・オービター(多目的周回軌道衛星)に搭載された火星カラー撮像カメラの主任研究員である。

この嵐はゲイル・クレーターで砂を明らかに増大した。そこでNASAのキュリオシティ・ローバーは表面で嵐の影響を調査している。

そのフォールト・ウィンドウ−通信を試みるときの時間−の間、それがスリープ状態から復帰するときに熱心に聞こうとするにも関わらず、NASAのオポチュニティ・ローバーからの信号をまだ受け取っていない。
火星の極寒の中でのローバーの長期の生存に関する最近の解析によると、オポチュニティの電子機器とバッテリが機能するのに十分な暖が取れていることを示唆している。
とにかく、空がローバー上で晴れ始めるまで、このプロジェクトはオポチュニティからの返答に期待していない。しかしかれらは毎日ローバーからの返答を聞くことをあきらめはしない。

この砂嵐は1977年にバイキング?T号により観測された同様の嵐と規模が同等であるが、以前にオポチュニティが切り抜けた2007年の嵐ほど大きくはない。
だが、マリナー9(1971−1972)と火星グローバル・サヴァイバー(2001)によって観測された大規模な嵐ともまた異なっている。
この惑星の表面を覆い隠したそれらの嵐は、火星最高峰の火山の頂点だけは外した。
現在の砂嵐はもっと拡散しながらもムラがある。
いかにしてこれ以上発達するのかは予測困難であり、しかも晴れる兆候も見えない。

 


 


2018年6月12日(火)午後6:30(米西部時間) 更新
 


この一連の画像は、広大な砂嵐(2018年6月)内のオポチュニティの現在の視点を模擬しながら、右方向に、NASAのオポチュニティ・ローバーの視点から、太陽を消しながら暗くなっていく火星の空の眺めを模擬的に表している。

今日、オポチュニティ・ローバーと接触を試みたNASAの技術者らは、ほぼ15歳のローバーから返事を得られなかった。このチームは、オポチュニティのバッテリの充電は24V以下に(一時的に)落ちてしまったので、ローバーは低電力故障モードに入った、という想定の下に今作業している。この状態はミッションクロック以外の全サブシステムが停止することを意味する。ローバーのミッションクロックはパワーレベルを確認できるので、コンピュータを起動するようにプログラムされている。


MER−B 全火星年(MY)の周期的な光学的深度


この図は、NASAのオポチュニティ・ローバーの視点から火星年毎の大気の不透明度を比較したものである。

横軸:太陽経度

MER-B:Mars Exploration Rover B(2004年火星に着陸)
(AはSpirit、BはRoverという名称)

 

もしこのローバーのコンピュータが、そのバッテリが十分充電できていないと判断した場合、それは再び自身をスリープ(非活動)状態にするだろう。
パーシバレンス・バレーを覆う非常に大量の砂のせいで、ミッション技術者らは、ローバーが少なくとも次の数日中にバックアップ用の充電のための十分な太陽光を得られるとは、ほとんど考えていない。

オポチュニティ上の太陽を消失させた火星の砂嵐は永遠であるかのごとく続いてきた。5/30に最初に検出されたこの嵐は、今や火星表面の14百万平方マイル(35百万km2)−この惑星の1/4−を覆っている。

NASAは、嵐とさまざまな宇宙船によるその観測結果を議論するために、6/13(水)に新たな遠隔会議を開催することにしている。

 


 


2018年6/10(日) 午後4:30PDT 更新


NASAの技術者らは、日曜日の朝に−さらに悪化する砂嵐にも関わらず、前向きなサイン−オポチュニティからの送信を受信した。
技術者等らに知らされた送信データは、
まだローバーが、カリフォルニア、パサデナのジェット推進研究所の地上管制と通信するのに十分なバッテリの充電を有する、というものだ。(だが、)科学上の作業は休止したままである。

日曜日の送信は、砂嵐が数日前に激しくなったと考えられる特に良いニュースだった。
真っ暗で、永遠に続く夜が火星のパーシバレンス・バレーのローバーの場所の上に居座っていた。
この嵐の大気の不透明度−周囲を吹きまくる砂のベール、それは太陽光を遮る−は今や、オポチュニティが切り抜けた2007年の嵐以上に最悪だ。
以前の嵐では、不透明度またはタウがどこでも約5.5であった;この新たな嵐は日曜日の朝同様にタウ10.8と判断された。


オポチュニティのチームは、政府機関の深宇宙探査すべてと通信するアンテナの広域システムである、NASAの深宇宙ネットワークからの通信の適用範囲を拡大するよう要求した。

この最新のデータ送信は、ローバーの温度が約−20°F(−29℃)であることを示していた。
砂嵐の一つの救いは、それらが実際に火星表面で経験した極度の気温変動内に収まっていることだった。
同じく渦巻く砂は、太陽光を遮り、さらに熱を吸収し、オポチュニティの周囲温度を上昇させる。


技術者らはこの一週間ローバーのパワーレベルをしっかりと監視している
ローバーは、氷点下の温度でバッテリの低レベル充電のバランスを取る必要がある。
そのヒーターは生存を維持するために非常に重要であるだけでなく、バッテリからさらにパワーを取り出す。
同様に、ある作業を実行することもバッテリのパワーを取り出すことになるが、実際にはエネルギーを放出し、ローバーの温度を上げる。

ローバーは、90日の任務を予定されていたにも関わらず、ほぼ15年継続することで期待された以上に耐久力があることを証明した。


 


2018年6/8(金) 報告されたオリジナル・ストーリー

2018年6/12 午後6:30 更新
 


この広大な火星の地図は、2018年6/6 と同じく、成長する砂嵐を示している。
この地図はNASAの火星リコネッサンス・オービター宇宙船の火星カラー撮像(MARCI)カメラにより製作された。青い点はオポチュニティの大体の位置を示す。

火星で成長し続ける砂嵐が終わるのを待つために、NASAのオポチュニティ・ローバーの科学上の作業は一次的に休止されてきた。

NASAの火星リコネッサンス・オービターが5/30(水)に嵐を最初に検出した。
オービター・チームがオポチュニティに近ずく嵐を見たとき、かれらは危機管理計画の準備を始めるようローバー・チームに知らせた。

数日の内に、この嵐は膨張した。
それは今では7百万平方マイル(18百万km2)以上−北アメリカよりも広大な領域−に広がり、
しかもパーシバレンス・バレーのオポチュニティの現在の位置を含んでいる。
もっと重要なことは、渦巻く砂がこの数日で渓谷の大気の不透明度または“タウ”を上昇したことだ。
これは、太陽光を遮る極度のスモッグで覆われた日と同じである。
ローバーは電力を供給し、そのバッテリを再充電するために太陽パネルを使用する。

オポチュニティの電力レベルは、6/6(水)までには、休止状態(最小の作業)への移行をローバーに要求するまで深刻な程度に落ちてしまった。


これはオポチュニティの悪天候における初めての避難ではない。
2007年には、はるかに巨大な嵐が惑星を覆った。
それは結果として、ローバーの電力を節約するために数日間連絡をとらなかった日も含めて、2週間の休止状態(最小の作業)となった。

プロジェクトの管理者は、オポチュニティが、火星の極端な寒気からそのバッテリを守るサバイバル・ヒーターで電力の低レベル化を計ることができない、という可能性に備えた。
もし嵐があまりにも長く続き、空が晴れるのを待つ間に、オポチュニティがあまりに冷え過ぎてしまったら、それはローバーにとって危険である。

結局、嵐が収まり、オポチュニティは打ち勝った。
火星の寒気は、前の2010年、火星探査ローバー・ミッションでスピリッツとオポチュニティの両者を失ったという結果を思い出させる。
これにも関わらず、両ローバーは期待を大きく超えた。
それらはそれぞれ90日間耐えるよう設計されていたに過ぎない。
オポチュニティは15年になる。
チームは初期に計画されたことを超えて、50回以上ローバーを操作してきた。

今回のような最大の砂嵐は意外なものではないが、めったに起こらないわけではない。
それらは突然、不意に現われる、先週も、月毎にも。 
南の夏の期間、太陽光は砂の粒子を温め、大気中高くそれらを持ち上げ、さらに風を生じる。
その風はさらに砂を跳ね上げ、NASAの科学者らが今も理解しようと努めているフィードバック・ループを生じる。

火星リコネッサンス・オービターと赤い惑星を周回する2つの別のNASAの宇宙船−オデッセイとMAVENはいつものように地上のローバーを支援している。


 


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