その当時、(他に)反駁される理由が無かったため、
万有引力はそれらが互いに向かって引かれる天体全てに広がり、確立された。
即ち、この力はそれらの近さに比例して大きくなる。
この事実は論争の余地が無い。
しかし、それは、われわれが推進力か引力(attraction)か、
どちらの名前をそれに与えるべきか?
という疑問を起こしてきた。
効果が同じなので、疑いなくその名前には差異が無い。
従って、この力の効果に慎重なだけの天文学者は、
天体が互いに推し進められているのか、それともそれらが互いに引き合っているのか
を決定するのに困難を少々感じていた。
そして、その現象だけを実験する人は、
地球が物体を引きつけるのか、
それともそれらがなにか見えない原因によりそれに向かい推し進められるのか
には無関心である。
しかし、自然の謎の中に飛び込もうとすると、
天体が推進力により、または引力(attraction)により互いに作用するかどうか
を知ることは重要である。
一定の薄く広がる見えない物質が、互いに向かいそれらを推し進めるのかどうか、
または、もしそれらが互いに引き合わされる秘密またはオカルトな性質を
与えられているのかどうか?
この疑問について哲学者は分裂した。
あるものは、この現象は推進力に似ているという意見である。
またあるものは、一般的に英国人はニュートンと共に、
それが引力(attraction)で成り立つと(いう説を)支持する。
引きつける(attarct)と引く(draw)という言葉は完全に同義語ではない、
ということに気づくはずである。
すなわち、その結果、太陽と地球の間の中間に物体があると仮定されることはない。
イギリス人および同じ意見を採用する人はこの方法でそれを説明する。
かれらは、相互の引力(attraction)の性質が全ての物体に適合するということを支持する。
即ち、それは大きさ同様にそれらの性質なのであり、
即ち、それは質問への満足いく回答なのであり、
即ち、神がこの物体の相互の引力(attraction)を命じたのである。
宇宙に2つの物体があり、互いにどれだけ離れていようとも、
それらが接近し、且つ結合した時に手にしたことにより、
それらが互いに向かう傾向を1番目に持ったのだろう。
その結果、物体が大きければ大きいほど、
他に及ぼす引力(attraction)もさらに大きくなる、ということになる。
つまり、この性質が問題の本質であるため、
どんな物体もそれを含めば含むほど、引きつける力はいっそう大きくなる。
それゆえ太陽は大きさでは全ての惑星をかなり越えるので、
その引きつける力はそれらの力よりもかなり大きいに違いない。
木星の質量が地球のそれよりかなり大きいなら、
木星がその衛星を運動させる引きつける力は、
地球が月に作用するそれよりもさらにもっと強力である、
ということに、かれらは同様に注目する。
この仮説に従うと、
地球上の物体の引力(gravity:重力)は、
わが地球の微粒子によってそれらを運動させる引力(attraction)の結果である。
そして、もし実際にそれが含む以上に物質を含むならば、
その引力(attraction)はより強力になり、
物体の引力(gravity:重力)は増加するだろう。
しかし、もし反対に、地球の質量が減らされるような、
何らかの偶然の出来事がおこったならば、
その表面における物体の引力(gravity:重力)同様に、
その引きつける力もまた減らされるだろう。
それらの仮説において、ある2つの物体がいかに休止状態にあろうとも、
例えば、テーブルの上で互いに引き合わねばならないし、その結果、接近する、
とこれらの哲学者に反論されてきた。
かれらはその結論を認める。
しかし、かれらは、この場合引力(attraction)はあまりに小さいので、
感じられるような効果を生み出すことは無い、
と主張する。
というのは、もし地球の全質量が、その引きつける力により、
われわれが物体の重さを知覚するその効果のみ、あらゆる物体に生み出すならば、
地球よりも何百万倍も小さい物質は、何倍もの小さな効果を生み出すだろう。
もし物体の重さが何百万倍も小さいなら、
それへの引力(gravity:重力)の効果はほとんど無にまで減らされるにちがいない、
ということがすぐに認められるはずである。
それ故に、引力(attraction)は非常に巨大な大きさの物体を除いて、知覚できない。
ゆえに引力(gravitation:重力)の仮説の熱烈な支持者はこちら側に影響されない。
かれらは彼らの意見を擁護するため、
かれらは物体に隣接した巨大な山のわずかな引力(attraction)の効果を感知するという、
フランスの学者*によるペルーでの実験を計画した。
それゆえに引力(attraction)の仮説を採用する場合、
われわれは虚偽の結論へわれわれを導くような意見の下にいる必要は無い。
さらにこれまでに、それは発見されてきた新たな事実により常に確認されてきた。
1760年9月7日
編注)* マスカライン氏は、スコットランドのSchehallienと呼ばれる山の引力(attraction)により、5“8の偏りが生じたことをごく最近発見した。キャベンディッシュ氏もまた、その目的にための装置により、紐でつった球の相互の引力(attraction)の測定に成功した。その結果、地球の密度が水のおよそ5倍であるということがわかった。(*1)
訳注)(*1)
貴族であったキャベンディッシュは自宅の馬小屋を改造して、大掛かりな実験装置を作りました。右がその実験の想像図です。ねじれ糸による力の測定から得られた重力定数の値はなんと、6.7exp-11[m3/kg・s2]でした。現代の測定値6.67259exp-11[m3/kg・s2]と数%しか違いません。また彼の目的はそれだけではなく、地球の質量M[kg]や密度ρを求めることでした。
さて、2つの球体の間に働く万有引力の式はご存知の通り

です。
では地球とその上に置かれた球体の関係から地球の密度を求めます。

以上で地球の密度が水のおよそ5倍であることがわかりました。