あなたは鉄をひきつける天然磁石の特性をよく知っている。
あなたは、天然磁石が近くに置かれると、
針のような鉄や鋼の小片が近さに比例した力で動くのを見たことがあるだろう。
あなたが天然磁石へそれらを向かわせるものは何も無いことを知っているのと同様に、
われわれは磁石がそれらを引き付けると言う。
そしてこの現象をわれわれは引力(attraction)と呼ぶ。
しかしながら、非常に薄く広がっているが、
実際に天然磁石に鉄を向かわせることにより、
この効果を生み出す見えない物質があることは疑い得ない。
しかし、表現の方法は見かけにより規定されるので、
天然磁石が鉄を引き付けると慣習上言うようになる。
この現象は天然磁石と鉄に特有のものであるけれども、
哲学者がよく使用する引力(attraction)と言う言葉の意味の概念を伝えるためには、
全く適している。
さらに、全ての物体は、一般的に、天然磁石のそれと同様の特性を与えられており、
しかもそれらはすべて互いに引き合っている、
とかれらは断言する。
しかし、それらが非常に大きくないかぎりこの効果は感知できないし、
それらが小さい場合、感知できない。
例えば、いかに石が巨大であろうとも、
それは隣接する他の物体に知覚可能な引力(attraction)を働かせることはない。
なぜならその力はあまりに小さいからである。
しかし、もしその質量が増大して数千倍も大きくなったなら、
その効果は直ちに感知可能になるだろう。
実はほんの小さな程度であるが、
実際の観察から、ペルーのそびえ立つ山々が引力(attraction)を生じたことが発見された、
ということは既に知られていた。
それゆえ、山はよりいっそう巨大なほど、より知覚可能な引力(attraction)を生み出す。
そしてさらに地球全体のような巨大な物体は、
比例した大きさの力で他の物体を引きつけるだろう。
そして、この力は正しくは、
それらが実際に地球に向かわされることをわれわれが知っている
引力(gravity:重力)なのである。
この仮説によると、そのとき、
全ての物体を強制的に降下させる引力(gravity:重力)は
地球の全質量の引力(attraction)を原因とする以外の何ものでも無い。
もしこの質量が大きいかまたは小さかったなら、
物体の引力(gravity:重力)または重さは比例して大きいか小さいかになるだろう。
その結果、太陽、惑星、月のような宇宙の他の巨大な物体すべては、
同じ引きつける力を付与されている、ということになる。
しかし、それら自身がそうであるように、大きいか小さいかに比例して、である。
太陽は地球の数千倍も大きいので、その引きつける力は地球のそれを数千倍も超えている。
月の質量は地球のそれの40倍以下と計算される。(*1)
そして同じ法則が全ての天体に適用される。
1760年9月9日
訳注)(*1)