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    Mars Report by "NASA"/2018.12.07

    NASAの火星インサイト、火星の風を聴く!


    ニュース|2018年12/7
    NASAインサイト着陸船、火星の風を‘聴く’!

    ちょうど10日前に着陸したインサイト着陸船の地震研究、測地学、熱輸送に使用するNASAの内部探査装置が、赤い惑星上で史上初の火星の風の‘音’をわれわれに提供してくれた。これらの音についてのメディア会議が今日午後12:30EST(午前9:30PST)に開催されるだろう。

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    インサイトの7フィート(2.2m)幅の太陽パネルの一つが着陸船の展開装備カメラにより画像化された。それはロボットアームの肘部分に据え付けられている。

    インサイトのセンサーは、風の振動に起因する低くゴロゴロ鳴る音を捕えた。その風は12/1に北から南へ時速10〜15マイル(約16〜24Km/h、5〜7m/s)の速度で吹いていると判断された。砂の悪魔の方向と一致するその風は着陸領域を猛スピードで吹きぬけ、さらにそれは軌道上から観測された。


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     “この音声の補足は予定外の御馳走だった、“とカリフォルニア州パサデナ、NASAジェット推進研究所(JPL)の主任研究員Bruce Banerdtは語った。“ だが、時間を捧げるべきわれわれのミッションの一つは火星での運動を測定することであり、当然、音波の原因となる運動も含まれる。“



     



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    遠隔会議の音声とそれに伴う映像はNASAのウェブサイトで生中継されるだろう。

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    宇宙船の2つの非常に敏感なセンサーがこれらの風の振動を検出した。インサイトのロボットアームによる、着陸船内部の空気圧センサーと着陸船のデッキに設置してある地震計の展開が待ち望まれる。この2つの装備は別の方法で風の音を記録する。空気圧センサー、補助荷重センサーサブシステム(APSS)の一部、これらは空気の振動を直接記録した気象データを収集する。地震計は宇宙船の太陽パネル上を移動する風によって生じる振動を着陸船に記録し、さらにそれはそれぞれ直径7フィート(2.2m)あり、巨大な1対の耳のように着陸船の側面から突き出している。

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    内部構造の地震実験装置(SEIS)と呼ばれる地震計は着陸船により直接生じる振動を検出する能力があり、これはミッションの1段階に過ぎない。数週間以内には、それはインサイトのロボットアームにより火星表面に設置され、次いで風や温度変化から保護するためのドーム状のシールドにより覆われるだろう。それは火星の表面のいたるところに向けられているが、まだ着陸船の動きを検出するだろう。今のところ、SEISがよりよく実際の火振(火星地震)を検出できる状態で火星表面にあるときは、科学者らが後で着陸船からの雑音を打ち消すために使用可能な振動データを記録している。

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    地震が地球上で起こる時、我が惑星内部を跳ね返るそれらの振動は、ベル(鐘)が音を生じる方法と同じ“鳴動”を作り出す。インサイトはその振動または火振が火星上で同じ効果を有するかどうかを調査する。
    SEISは赤い惑星の深奥部について教えてくれるこれらの振動を検出するだろう。これが我が太陽系内の惑星−おそらく我々自身の惑星も−の形成に関する新たな情報に導いてくれると、科学者らは期待している。

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    フランス国立宇宙研究センターにより提供されたSEISは2セットの地震計を内包している。
    フランスにより提供されたそれらは一度着陸船のデッキから展開されたなら、すぐに使用されるだろう。
    しかも、SEISはまたイギリスのオックスフォード大学からの電子機器とともに、インペリアル・カレッジ・ロンドンにより開発された短時間(SP)シリコンセンサーをも内包している。
    そしてこれらのセンサーは着陸船のデッキ上で作動することが可能で、人間に聞こえる低周波域、ほぼ50Hzの周波数までの振動を検出できる。

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     “インサイト着陸船は巨大な耳のように作動する、”とインサイト科学チームのメンバーでインペリアル・カレッジ・ロンドンのセンサー設計者であるTom Pikeは語った。“着陸船の側面の太陽パネルは風の圧力変動に応答する。インサイトの耳はカップ状になっており、それにぶつかる火星の風の音を聴いている。われわれが太陽パネルからやってくる着陸船の振動の方向を調べたところ、それは着陸地点で予想された風の方向と一致している。
     
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    Tom Pikeが風の中での旗への影響を比較した。旗は風を乱すので、人間の耳がはためきとして感じるものが大気圧内で振動を生み出す。それとは別に、APSSが薄い火星の空気から直接圧力の変化を記録する。

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    “それは実際に何かの音−空気圧内で変化する−である、”とニューヨーク州イサカのコーネル大学からインサイトの科学技術APSSの先頭に立つDon Banfieldは語った。

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    振動が短時間センサーにより記録されたのとは違い、APSSからの音声は約10ヘルツで人間に聞こえる周波数範囲より低い。

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    地震計からの生の音声サンプルに変化はなかった。第二バージョンは人間の耳により感知可能な2オクターブを生じた。−特にそれはラップトップもしくはモバイル(可動)スピーカーを通して聞こえるときである。APSSからの第二の音声サンプルは100倍に早められると、周波数が高くなった。

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    火星からのより鮮明な音はまだ来ていない。ほんの数年内に、2つのマイクを搭載したNASAの火星2020ローバーが着陸を予定している。JPLによって準備される第一のマイクは、特に史上初の火星着陸の音を記録することを計画されている。第二のマイクはスーパーカムの一部であり、それが個々の物質に装備のレーザーで衝撃を与えるときの音を検出可能である。これは音声周波数の変化を基本にしたこれらの物質の鑑定手段となるだろう。

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    JPLはNASAの科学ミッション本部からインサイトを管理している。インサイトは、アラバマ州ハンツビルの政府機関マーシャル宇宙航空センターにより管理されるNASAのディスカバリ・プログラムの一部である。デンバーにあるロッキード・マーチン・スペースは航行ステージと着陸船を含むインサイト宇宙船を建造し、ミッションのための宇宙船の運用を支援している。

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    CNESとドイツ航空宇宙センターを含む多数のヨーロッパの同僚たちがインサイトの任務を支援している。
    CNESとパリ地球物理学学院(IPGP)が、ドイツにおける太陽系探査のためのマックス・プランク研究所、スイスのスイス技術研究所、イギリスのインペリアル大学とオックスフォード大学からの多大な貢献と共に、SEISを提供した。DLRは、ポーランド宇宙科学アカデミーの宇宙研究センター(CBK)からの多大な貢献と共に、熱流と物性パッケージ(HP3)装置を提供した。スペイン宇宙生物学センターは風センサーを提供した。

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    ニューメキシコ州のロスアラモス国立研究所とフランス国立惑星学・天体物理学研究所はNASAにスーパーカム装置を納入する責任を有している。このスーパーカム・マイクはフランス高等教育機関、航空宇宙高等学院により提供される。

     

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