Mars Report by "NASA"/2018.11.27

NASA、火星からのMarCOキューブサットの情報をはっきりと捕える!
           


ニュース|201811/27

NASA、火星からのMarCOキューブサットの情報をはっきりと捕える!

 
201811/26MarCO−Bが赤い惑星のフライバイの間に、約4,700マイル(7,600Km)彼方からこの火星の画像を撮影した。インサイトが着陸した後、MarCO−Bが惑星から離れて行く間、おおよそ午後1210PST(午後310EST)にこの画像を撮影した。


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NASAのMarCOは、2つの実験的且つブリーフサイズの宇宙船が深宇宙への旅を何とかやり抜くことができるかどうかを調べるミッションのために建造された。そしてキューブサットはそれ以上に優れていることを証明した。それらはNASAインサイトの後方を7カ月間航行した後、11/26月曜日、火星表面への降下中に着陸船から地球へのデータ中継に成功した。


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ピクサー・フィルムのスター風の“イヴ”と“ウォール−E”というニックネームを付けられたMarCO-AとMarCO−Bは、着陸を監視するための技術者らのために代替方法を備えた実験的な無線とアンテナを使用した。このキューブサットはわずか8分−無線信号が火星から地球へ達するのにかかる時間だ−でインサイトの着陸チームに情報を与えた。

それはNASAの火星周回軌道衛星で待つよりもずっと早かった。というのは、この全イベントを観測できる位置にいなかったためで、直ちに地球へデータを返送した。


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 “ウォール−Eとイヴは正にわれわれが期待したことを実行した、”とキューブサットを建造したカリフォルニア州パサデナのNASAジェット推進研究所のMarCO主任技術者、Andy Kleshは語った。

“それらは、着陸中に技術者らに最新情報をフィードバックしながら、如何にして将来のミッションに“随伴すること”で貢献できるか、のすばらしい試験であった。“


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火星への着陸は格別に難しい。インサイト以前は、さまざまな国による試み全ての約40%が成功したに過ぎない。例え宇宙船が着陸を乗り切れなかったとしても、“ブラックボックス”−またはMarCOのような一対のそれら−に記録されているので、そのイベントは着陸技術をよりよく設計できるよう技術者らを支援するだろう。


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MarCOキューブサットは科学技術装備を運ぶのでもないし、未来のキューブサットが火星で有用な科学技術を実行できるのかどうかの試験を、チームに止めさせるものでもない。

MarCO−Aはフライバイした時に、その場で火星の大気の縁から無線信号を送信し地球に伝えた。火星の大気による干渉が地球で受信したときの信号を変動させるが、どの程度の大気が存在するのか、科学者らがある程度までならそれを構成するものを決定することを可能にする。


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 キューブサットは深宇宙へとカメラと科学技術装備を運ぶという途方もない潜在能力を持っている、“と小型宇宙船のJPLプログラム・マネージャー、John Bakerは語った。

“それらは、より有能で、NASAが開発した有名な宇宙船と交代することは決してできないだろう。だが、それらはわれわれに新たな方法で探検を可能にする低予算、同時搭載可能な宇宙船である。“


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ボーナスとして、MarCOに搭載されたいくつかの市販の一般的なカメラは、過去の火星へと航行したキューブサットと同様の“ドライブバイ(航行中の船中から)”画像を撮影した。

MarCO−Bはそれが火星に接近したとき、惑星を撮影するために向きを変えるようプログラムされた。(打上げ前に、MarCO−Aのカメラは機能しない状態か、ピンボケがひどく使用できないことが分かっていた。)


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着陸後、MarCO−Bは赤い惑星との別れの写真を撮影するため後方に向きなおした。

それは火星の月フォボスとダイモスのいくつかの写真を撮影しようとも試みた。


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 “ウォール−Eは火星からいくつかのすばらしいポストカードを贈った、”と、画像を撮るため各キューブサットをプログラムする作業を先導したMarCOのミッションマネージャー、JPLのCody Colleyは語った。

“火星の表面上ほぼ1,000マイル(1,600Km)からの景観を知ることは我々をわくわくさせる。”


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ミッションの目的が達成されるとともに、MarCOチームは次の2週間、各キューブサットで追加データを収集して過ごす。どれだけ多くの燃料が各キューブサットに残されているか、さらにいかにそれらの中継能力が実行されたかを細かく解析することに興味が向いている。

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チーム間でもさらにお祝いをすることは確実だ。

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 “MarCOチームは初級キャリア技術者によりその多くが構成される、さらにMarCOは1つのNASAミッションとしては大学を出たての人々にとって初めての体験である、”とMarCOのプロジェクト・マネージャ、JPLのJoel Krajewskiは語った。“われわれはかれらの成果を誇りに思っている。それは深宇宙で運用する宇宙船を建造し、実験し、操作するという各局面でかれらに価値ある体験を与えられるのだ。“


注)
 アメリカ、ヨーロッパ共同開発による火星探査インサイト、MarCOの成功は驚異的な素晴らしさである。その科学力、技術力には、日本は遠く及ばない。

プロジェクトマネージャがきっちりと管理しているのは当然だが、MarCOのシステムが熟練技術者により開発・運用されていたのではない、とは驚きである。

日本では完全にありえない。これまでも研究・技術の現場では5〜10年の中堅のキャリアでなければ現場を担当することは無かったし、現在もそうである。初心者がいても雑用係程度である。こうした点からもJPLが着実な人材育成を行おうとしていることが良く分かる。

日本では、技術関連の現場の8割が派遣、即ち、素人下請けプログラマー集団により構成されている。ハードウェアも然りである。工学のコの字も知らないものが回路図を引いていることも多い。全く人材育成とはかけ離れたこの状況は、数十年前から変わることは無く、依然低レベルのままで放置されている。

話は飛ぶが、国連職員の多くがドクター(学位)を2つ持っていたり、数カ国語を操るのは今や常識だ。一分野だけのスペシャリストはただの専門バカであり、自分の専門分野以外に興味を持たない者は、国際的な場では必要とされない。NASAやJPLでも同じ。このキャパシティの違いは教育制度の変更ではどうしようもない。

かくして、欧米と日本の宇宙開発技術を比べると、”完全自動運転のベンツ”と”ラジコンカー”程の圧倒的な差がついているといえる。

”オソブサ2”は再びNG。前から指摘している通り、日本の衛星はラジコンカーと同じで見えないところに行ったら、どうなるかだれにもわからないのだ。ここにアメリカ、NASAのJPLの宇宙航行システムと深宇宙ネットワークの大きな違いがある。

日本は地球の周回軌道への打上げ、有人飛行も達成したことが無いにもかかわらず、月へ人を送るという。アポロ計画が成功したのは1969年だ。欧米に遅れること50年。これを実行する意味はどこにあるのだろうか? 経済が破綻している日本の現状では単なる税金の無駄使いに過ぎない。(国家予算が不健全な日本は、例えばEUに加わることは決してできない。)

宇宙開発事業は欧米と共に協力して行い、国家予算の健全化(国債の発行ゼロ)を優先することが最も賢明な方法なのである。
 
 

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