(訳注)3つの法則とは、
第一は、全く同一の(材料からなる)物体内の電気(電流)の分布のモード
第二は、周囲を取り巻く大気中の電気(電流)の分散のモード
第三は、2つの異種の物体の接触部分における電気(電流)の出現のモード
を指す。
第一の場合−同一材料と同一寸法の導体の回路.−
第一と第三の基本的な見解により、根本的なガルバーニ電気の現象の中に次のような明らかな洞察を得る。
例えば、どこも同一の電気的ポテンシャル(電位)を持っている、どこも等しい厚さと同種の物質からなるリング(輪)を考えてみよう。
即ち、互いに接近して置かれた(リングの)2つの表面の電気的状態のばらつきのことである。
それらが活性となり、平衡が乱された結果、電気はその内部で自身を復旧しようとするだろう。
もし、その流動性がリングの範囲に単に制限されるならば、両端に離れて流れるだろう。
もし、この電圧がほんの一瞬であったならば、平衡はすぐに回復されるだろう。
しかし、もし電圧が持続したなら、平衡が決してもどることは無い。
しかし、あまり抑制を受けない拡散力により、電気は、ほとんどわからないほどの短時間に、きっちりと平衡に近い状態を生みだし、さらに、次のものと一致する。
一定の電気の伝達により生じるもの、またどこにも電流の通路が生じない導体の部分の電気的な状態における、はっきりとわかる程度の変化。
この状態の特性は、即ち、光と熱の伝達においても度々起こり、次の事実に起因する。
つまり、回路の活性時に、ある場所にある伝達媒体となる各粒子は、各瞬間にちょうど同量の搬送された電気を、それが発せられた方からもう一方へと受けるのである。
それゆえに、不変な量が絶えず保たれる。
さて、最初の基本的な見解によると、電位のみが、一方(の粒子)から他方(の粒子)へ直接に起こり、さらに、同じ環境下において、2つの粒子の電気的な差異によるそのエネルギーに従い決定される。
電気的な状況における一定の変化により、励起点から生じながら、また、全リング中に一律に生じながら、また、ついには励起点へと戻りながら、この状態は、その全厚みに一律に起こり、さらに、全ての部分で同様に構成される、リング上のそれ自身を明らかに示しているにちがいない。
一方、この場所において、電圧に相当する電気的な状態の急な飛躍は、以前に述べたように常に知ることが出来る。
<一部略>
電気の分離方法はこれまでの実験結果から完全に決定されてきた。
しかし、リングの各部分での電気の絶対的な力はまだ不確かなままである。
この特性は、リングの像を描くことによりうまく表わすことが可能であり、その性質は、一方で、変わることなく、励起点に見られ、さらに直線的に広げられ、それに直立した垂直線の長さにより示される前述の場所の電気の力で表わされる。
即ち、上方へ向けられたものはその場所の+、下方へ向けられたものはその場所の−の電気の状態を表わしている。

ポテンシャルまたは電圧とその降下は図表を用いたFig.1に示される。
−そこで、線AB(Fig.1)は一直線に広げられたリングを表わす。
さらに、線ABに垂直なAFとBGは、両端A、Bに位置する+の電気の力を長さで示している。
もし、今、線FGをFからGへ、FHをABに平行に引くなら、線FGの位置は電気の分離のモード1を、また、BGの大きさ、即ち、電圧AF+GHは、リングの端で発生する電圧を与えるだろう。
さらに、他の場所Cの電気の力は、線ABに垂直で、Cを通る線CDの長さにより簡単に表現される。
しかし、流電気の励起(voltaic
excitation)の性質から、線AFとBGの絶対的な大きさはばかりでなく、単に電圧の大きさや線GHの長さも決定できない。
その結果、分離のモードは、前者に別の平行な線を引くことにより、全く同様に示される。
例えば、IKを引くことににより、電圧はKNで表わされるのと同じ値を保つ。
なぜなら、今ABの下にある縦座標は、それらの上の線と向かい合わせの関係になっているからである。
無限にあるFGに平行な多くの線のどれかがリングの実際の状態を表わすのだろうが、一般的には明確に定めることができない。
だが、個々の場合において、生じる状況からは独立して決定されねばならない。
その上、求める線の位置は決まっているので、その場所のいづれかを決定することにより、言い換えれば、電気の力の知識により、リングのただ1つの部分に対し完全に決定されるだろう、と容易に想像される。
例えば、もし、リングが外転(訳注.abduction:アースに落とすこと)2により、すべての電気をC点で失えば、FGと平行でCを通る線分LMが、この場合、リングの電気的状態を確実に表現するだろう。
電気の分離におけるこの変動要因は、ボルタの電池回路特有の不安定な現象(訳注.電圧の変動)によるのである。
たとえ、ABの位置に対し、線FGの位置が固定されていようと、また、線FGの位置が常に同じ位置にあり、それに対し線ABの位置が変わろうとも、明らかにそれは重要ではない、ということがさらに追加されるだろう。
<一部略>
(編注1)
または、われわれが今日それを表現するなら、“両端の間に存在するポテンシャルの相違、または回路内に働く全起電力”となろう。
(編注2)
もしリングのC点が、いわば、地球のような導電体に接続されることにより、ゼロポテンシャルに落とせれば、そのポテンシャルはゼロとなる。