17.次に、水回路を含む3つの異なった部分P、P’、P2で構成される
ボルタの回路の検討を進めたい。
P、P’、P”の各部分の検電力をそれぞれu、u’、u”で表わすなら、
15節で3度繰り返し言及した事例によると、
そこで見つけた方程式(c)により
Pについては
P’については

P”については

を得る。
ここでf,f’,f”,c、c’、c”は
この問題の性質から残された、ある大きさの定数を表わす。
そして各方程式は、それらが関係するその部分が横軸上にあるという意味を持つだけである。
P部のその端
−それはP”部と接続されており、
さらに、それら(P、P’、P2で構成されるボルタの回路)はP部からP’部へ、
またそこからP”へ通じているので、(それを)横軸の方向に選ぶ−
を横軸の原点とするなら、
さらにP、P’、P”の長さをそれぞれ ℓ、ℓ’、ℓ”で表し、
最後に、u”2とu1が接触点x=oでのu”とuの値を
接触点x=ℓ でのuとu’の値をu2とu’1で
接触点x=ℓ + ℓ’でのu’とu”の値をu’2とu”1で表わすとき、

を得る。
接触点x=oに生じる電圧をa、接触点x=ℓ に生じる電圧をa’、
接触点x=ℓ + ℓ’
に生じる電圧をa”とし、
さらに、前節で述べた一般的な規則に注意を払えば、

を得て、その結果、

を得る。
しかし、13節で進めた考え方から
χとωがP部の伝導力(=導電率)と断面を
χ’とω’がP’部の伝導力(=導電率)と断面を
χ”とω”がP”部の伝導力(=導電率)と断面を表わすとき、
個々の接触点において、次の条件の方程式が得られる。

ここで、
は
の接触点にあるべき固有の値を表わす。
この回路の1つの部分における検電力の決定のため、この節の始まりで記述したこの方程式から
容認できるxの値全てを得る。

よって、前の条件付方程式は

に変換される。
これら及びこの電圧から導かれたf、f’、f”間の方程式から、
次に、λ、λ’、λ”をそれぞれ入れ替えると、

を見いだし、これらの値の助けにより、さらに次の式を見出す。

これらの値を入れ替えることにより、
この回路のP、P’、P”部における個々の検電力を決定できる。
その方程式は次の通りである。

さらに、
文字χまたはω(それらはλ、λ’、λ”の表現と同様に明白である。)を省略したこれらの方程式が
χ=χ’又はω=ω’=ω”の場合に真であることを知ることは容易である。
18.次に、2つの部分PとP’から構成されるボルタの回路を考えたい。
これらのわずかな事例は、検電力を発見した一連の数式の法則を証明するのに十分であり、
1つの一般的な式の中にそれらすべてを包含する。
必要な簡潔さでこれを行うため、つまり、もっと簡単で総括的な調査のため、
その伝導力(=導電率)と断面で、その回路のある等質部分の長さを割ることで生じる比(の値)を、
この部分の縮小長と呼ぼう。
さらに、全回路が検討した通りか、さもなくば、その一部分がいくつかの等質部分で構成されるとき
その部分全ての縮小長の総和をその縮小長と理解する。
[ “このように、回路の縮小長は1本の電線の長さであり、さらに一定の性質と厚さを持つのであり、その抵抗はこの回路の抵抗の総和に等しい。
一定の性質と直径をもつある長さの電線により表わされるそれ(回路の長さ)を縮小することは、
回路の全て、または一部分によって表わされる伝導性を抵抗で表現する、
という非常に便利な方法(mode)である。
電気学の論文.ド・ラ・リーブ 第2巻.1856.80,81ページ ]
これを前提としたので、
検電力−それは方程式(L)と(L’)により与えられる−のための式を発見した、
これまでの全ては、次の一般的な記述に含まれるだろう。
そして、回路が何であろうとも幾つかの部分で構成されるとき、それは正しい。
ガルバーニ回路−いくつかの部分で構成される−のある場所の検電力は
全電圧の総和をその縮小長で割ることで、
また、この比(全電圧の総和/その縮小長)に横座標上にある回路の部分の縮小長をかけることで
また、この積((全電圧の総和/その縮小長)×部分の縮小長)から横座標に沿って急に通過する全電圧の総和を引くことで
最後に、他のどこかで決定されるべき一定の大きさにより得られるこの値を変えることにより、
発見される。
それ故に、回路の全電圧の総和をA、その全縮小長をL、横座標が通過する部分の縮小長をy、
横軸上にある地点の全電圧をO、最後に回路のある部分のある場所の検電力をuで表わすなら、

となる。
ここでcは定数を表わすが、大きさはまだ未決定である。
このように変形され、この極度に簡単な、ある回路の検電力の式は
今後、簡潔さを持ち合わせた普遍性と結合されるだろう。
そして、それは、
われわれが(この先)さらに縮小された横座標yで示す
という目的のためである。
一方、この方程式のこの形式は特殊な利点を持ち、これ以上なにも必要としない。
それは、回路のどの部分において、電圧と伝導性が絶えず変化するときでさえも応用可能である。
というのは、この場合、総和の代わりに、
単に相応の積分をするべきなのであり、
さらに、要求された方程式の性質にしたがい、それらの境界を定義するべきであるからだ。
Oは、回路の同じ等質部分の全領域の中で、その値に変化がなく、
さらに、yは、この領域の同じ部分の同量だけ絶えず変化するので、
次の特性が、−すでに簡単な回路に関して、一般性は劣るものの証明されている−
すべてのボルタの回路に明らかに適用できる。
さらに、次の内容に、ボルタの回路の主たる性格が表わされている。
a.回路の各等質部分の電気の力は、
その全長にわたり絶えず変化し、さらに、同じ領域で常に同一量だけ変化する。
しかし、そこではそれが止むと別のものが始まる。
それはその場所にあるべき全電圧の大きさまで急に変化する。
b.もし回路のある1つの場所が
なんでもよいのだが、何らかの環境(条件)により、その電気的状態を変えるならば、
回路の他の場所全てが同時に、且つ同量だけ、それら(電気的状態)を変える。
定数cは、回路のある位置の検電力を確かめることにより決定される法則の中にある。
例えば、もしわれわれが、回路のある場所の検電力をu’、縮小された横座標をy’で表わすと、
以上で述べた一般式によれば、

となる。
ここで、O’は急に横座標y’を通過した電圧の総和を表わす。
次に、回路の一定の場所に対し有効な、
同じ方法で全ての場所にあるべき前述の方程式からこの方程式を引くと、次の式を得る。

ここで決定すべく残っているものは何も無い。
もし回路が、製造の間に、何らかの外部からの外転または内転にさらされないならば、
回路の全電気の総和がゼロとなるはずのその環境で、定数cを探さねばならない。
この決定は、
これまでの中性の状態から、2つの電気が同時に且つ同量、絶えず生じる、
非常に重要な場所で発見される。
例えば、定数cがそうした場合にどのように発見されるかを説明するため、
16節で取り扱った事例を再び考えてみよう。
その回路の部分Pでは、uは一般的に
、
であり、
またP’部では、常に
が成り立ち、
である。
今やP部の素子の大きさはωdx、またはχω^2dy、(訳注:ω^2はωの2乗)
一方、P’部ではω’dxまたはχ’ω’^2dyであるから、
素子の最初の部分

を含む電気の量を得る。
また、素子の第二の部分に含まれる量については、

となる。
次に、2つ前の方程式をy=Oからλまで積分すると、P部に含まれる全電気の量

を得る。
同じ方法で、第二の式をy=λからy=λ+λ’まで積分することで得られ、
また、P’部に含まれる電気の全量は、

となる。
しかし、2つの内、後に見いだした量の総和は
これまでに進めてきた非常に基本的な立場からすると、ゼロで無ければならない。
かくして、定数cの決定に必要とされる方程式を得たが、
λとλ’が部分PとP’に一致する縮小長であるということがまだ確認されていない。
これまで、われわれは暗黙にプラス(+)の横座標のみ仮定してきた。
しかし、マイナス(−)の横座標がこれまで説明してきたものと全く同じ、
ということを示すのは容易である。
では、−yが、回路内のある点について、そうしたマイナスに縮小された横座標を表わすとしよう。
そのときL−yは、同じ場所に関連する、プラスに縮小された横座標である。
(訳注・ L:その全縮小長、y:横座標が通過する部分の縮小長)
したがって、次の式

を得る。
しかし、16節で示した一般的な規則を考慮しなければならないなら、
O−Aは、明らかにマイナスの横軸に沿って急に通過する全電圧の総和を表わす。
その点から、この方程式は、マイナスの横軸について、
その前者(プラスの横軸)の意味を完全に継承していることは明らかである。