2.9.評価
自由表面を記述する曲線は半径kで方程式⑬⑭の2つに分かれますが、この値をうまく見つけることにより、実際の水面(自由表面)と重ね合わせた方程式が良く合っている様子が確認できます。(実際はこの曲線をz軸を中心にして回転した三次元曲面となります。やはり三次元で表現できれば更に面白いと思います・・・)
かくして、完全ではありませんが、身近に起きる現象の1つを微分方程式によって記述することができました。
お疲れ様でした!
しかし、実は喜んでばかりもいられないのです。
実際の流体の運動は、今回仮定した理想流体とは異なります。
回転中、渦は常に一定というわけではなく、うねりを生じ、自由表面は必ずしも対称な形を示しているわけではないことに気が付いたでしょうか?簡単な現象でもさまざまな条件により状態が微妙に変化しているというわけです。
さらに、理想流体の条件に”渦有り”、”粘性あり”の条件を加えていくと、オイラーの方程式はナビエ・ストークスの方程式に変わり、数値解析によりコンピュータを利用して解を求めていくことになります。
分野で数理〜と命名されている分野がそれに相当します。
そういえば、確かアメリカのある研究所でナビエ・ストークスの方程式の解に100万ドルの懸賞金を賭けていたと思います。
たった2つの条件が入ることにより超難解な方程式となってしまうナビエ・ストークスの方程式!
どうぞ意欲のある方は挑戦してみてください!
一方、アインシュタインの一般相対性理論において示された宇宙方程式の解(特異点)の1つがブラックホールを意味していたことは、現在では当然のように受け取られていますが、なんと第一次大戦中に従軍していたシュバルツシルドが砲弾の飛び交う中、時間を惜しんで計算した結果わかったことでした。現在ではコンピュータによるシミュレーションによりその三次元図形がさまざまな本に紹介されています。そしてその形状は、外見上は、小さなものは今回のコーヒーカップの渦、大きなものは鳴門海峡の渦とほとんど同じ形をしており、宇宙の渦といっても良いかもしれません。ただし光が外へ出ることができないので直接は見えませんし、物質は構成する最小単位にまで破壊されてしまいますが・・・。
さてそれはともかく、今回は流体力学における特別な場合の解析でしたが、大変重要な手法を提供してくれるものです。
天才オイラーの偉大さを実感していただけましたでしょうか?
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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