・実験1
電子レンジ内部を清掃。
耐熱型透明プラスチックケース(−25〜120°)を準備。重さ計量。
生ごみを準備し、包丁でみじん切りにする。
ビニール袋(-30〜90°)を準備。
ビニール袋に生ごみを入れ、同上ケースに収める。重さ計量。
蓋はせずに、電子レンジのガラス皿の端に置く。
過熱を避けるため、1分間動かす。重さ計量。ケースをふるい、撹拌。
これを炭化するまで繰り返す。
途中、写真を撮る。
電子レンジ内部を消毒・清掃して終了。
・実験2(Ver1.1追加)
実験1と手順は同じ。
電子レンジの動作時間を3分間にする。
・実験3(Ver1.2追加)
実験1と手順は同じ。
レンジ用プラスチックケースからレンジ用陶器に変更
ビニール袋から不織布(ポリプロピレン:−25〜140°)に変更
電子レンジの動作時間は3分間。
・実験4(Ver1.3追加 繊維質ゴミ対策)−修正(Ver1.3a
)
材料は、とうもろこし4本分の皮と芯
葉は包丁または料理バサミである程度刻んでからミキサーで粉砕。
とうもろこしの皮、ヒゲはハサミと包丁で1〜2cm角程度に刻めば良い。
芯は温かいうちなら容易に包丁で刻める。
いづれも水をたっぷり含んでいるので1日乾燥。
後の手順は実験2と同じ。
ミキサーを使う必要無し。水も全く無用!
不織布に刻んだ皮を半分ほど入れて、レンジで簡単に乾燥できる。
但し、乾燥終了しているにも関わらず、更にレンジにかけると炭化し、燃えます
。
必ず炭化手前で終了する必要あり。危険です!
4.実験結果
・1回目 2018/06/27
生ゴミの内容:トビウオ(体長約17cm)2尾の頭部、尾、ヒレ、内臓 合計98g
図5.1a トビウオ(頭、ワタ等) 98gの電子レンジによる炭化試験

図5.1b
図5.1c
図5.1d
電子レンジは1分ごとに動作。
5分経過時、内容物の乾燥が進むと同時にビニール袋の底に直径2cm程の穴が空く。溶けた。(図5.1b)
9分後には、ほぼ全てが炭化。ビニール袋の底はほぼ全て溶けていた。(図5.1c)
10分後、生ゴミを手で握るとポロポロと砕けた。(図5.1d)
重量は15g
にまで減少。
・2回目 2018/07/05
生ゴミの内容:バナナ皮×2、キャベツ芯×1、人参端×2、ズッキーニ大端×2、ナスへた×4、ピーマン芯など 合計257g
図5.2a 野菜クズ 257gの電子レンジによる炭化試験

図5.2b
図5.2c
図5.2d

図5.2e
図5.2f
電子レンジは3分ごとに動作。
12分経過時、内容物の乾燥が進む。(図5.2c)
18分後には、ほぼ全てが乾燥し一部が炭化。ビニール袋の底はほぼ全て溶けていた。(図5.2d)
24分後、発火。レンジ用プラケースが溶けた。(図5.2e,f)
重量は25g
にまで減少。
・3回目 2018/07/12
生ゴミの内容:サラミ×3、キャベツ芯×1、大根先端×2、小松菜端×3、ナスへた×2、雑芥 合計432g
(冷蔵保存により腐敗なし)

図5-3b
図5-3c
図5-3d
図5-3e
図5-3f
27分頃から炭化が始まる。生ゴミは108gに、即ち25%に減少。
32分で煙が上がり、不織布が溶け、穴が空く。140℃越え。
生ゴミは432gから74gに、即ち、17.1%に減少。
・4回目2018/07/22(Ver1.3追加 繊維質ゴミの実験)
(1)トウモロコシの皮(4本分)
皮をミキサーで粉砕した後の状態(図5.4a)
粉砕に使用した水分をたっぷり含んでいるので1日乾燥。
計量 413g (図5.4a,b) 量が多いので約半分に分離
結果 230g→ 26g (図5.4c)
200g→
18g (略)
20分ほどでワラのように。

図5.4a 図5.4b 図5.4c
(2)トウモロコシの芯
芯は水分を含んだ状態でカットする。タクアンのような感じ。乾燥すると堅くて切れない。
包丁にてカット(図5.4d,e)
計量406g(量が多いので約半分に分離)
結果 200g→ 38g (図5.4f)
20分程度で十分。図5.4f 右の写真では炭化しているところが見られる。

図5.4d 図5.4e

図5.4f
5.考 察
・生ゴミの減量効果
1回目、総量98gの生ゴミが残量15g、即ち15.3%に減少
。炭化のためこれ以上重量は減りません。
1分間の減少量は平均12.7g
。
2回目、総量247gの生ゴミが残量25g、即ち10.1%に減少
。乾燥は完了しましたが、半分位が炭化したと
ころで発火、危険なので終了。3分間の減少量は平均34.2g。
3回目、総量432gの生ゴミが残量74g、即ち17.1%に減少
4回目、総量200gの繊維質生ゴミが残量38g、即ち19%に減少。(ver1.3追加)
よって、電子レンジは1分間で、11〜13gの水分を気化させることができる、といえます。
一方、電気式では1000g/180分=5.56g/分となっているので、電子レンジ(マグネトロン)は電気式に比べて2〜2.3倍
の処理能力がある、といえます。
また、今回は円筒容器を回転テーブルの外縁において普通にテストしましたが、生ゴミの撹拌機構を付ければ、更に乾燥を速めることが可能になると思われます。(要検討)
・電気料金の比較

(電流容量 30A)
電子レンジ(2006年LG製 MJ-60HW)は
高周波出力が500Wと小さいタイプですが、定格消費電力は1KWです。(マグネトロンは連続運転ではなく、間欠動作するように設計されていますが、とりあえず1KWで計算。)
仮にゴミ400gの場合を計算すると、乾燥に0.64時間(38.4分)かかりそうです。
しかし、実験3では432gを32分(0.53時間)で炭化に成功しました。この場合の電気料金は399円/月です。
電気乾燥式(約512円)より100円以上安くなっていますが、使用回数はその2倍です。電子レンジの使用回数が同じ基準の15回/月であれば、電気料金の半分以下の200円、ハイブリッド型(400円/月)の半分となり、非常に安いことがわかります。(ver1.2追加)
・発火対策(ver1.2変更)
1,2回目:内容物の温度は水分が気化するときに、100℃を超えます。(混合物の沸点上昇)
ゴミを包んでおいたビニール袋の上限が90℃なので、ビニールが溶け、発火。
さらに炭化した繊維が燃焼。その結果、120℃までの耐熱容器が溶け、穴が空いたと考えられます。
3回目:容器に電子レンジ用陶器を使用し、不織布で生ゴミを包み、輪ゴムで閉じました。32分で溶融したの
で140℃を超えたことは確実です。発火直前であった可能性もあります。
従って、不燃性(800℃以上)のネットでない限り、炭化するまで実行してはいけないことが分かり
ます。
・電子レンジ自体の加熱(ver1.2追加)
30分間稼働すると、電子レンジ自体もかなり過熱します。中身が100℃、蒸気はそれ以上になって排気口から出てきますので当然ですが、夏場は特に注意が必要です。また実践上、本体の加熱具合から、生ゴミの量は400gが限界ではないかと思われます。
・結論−遂にシンクから三角コーナーゴミ入れが消えた!(ver1.2追加)
以上の実験結果から、電子レンジを安全に使用するには、
最初の重量の25%まで、
さらに30分以内の間欠稼働(連続動作禁止)
が最適であると考えられます。
実験上、麦茶やお茶のパックは、細かい茶葉が多量に積み重なっているため、絞っても水分がかなり含まれており、電子レンジ(マグネトロン)の効率を確実に落とします。多量に重なって水分を吸収しているものは混入を避けるべきです。もしそれらをあえて混入する場合は、袋から出して野菜クズをとよく混ぜると早く乾燥します。できればネットに入れて自然乾燥し、廃棄するのが良いと思われます。
生ゴミの重量と電子レンジの稼働時間の関係を示します。
生ゴミ
電子レンジ
100g → 6〜8分
200g → 12〜16分
300g → 18〜22分
400g → 25〜30分
<重要事項>
・連続運転の禁止。面倒くさいからといって5分以上の連続運転は危険。
実験上、プラ製品+炭化促進により発火します。
・3〜5分の間欠動作が必須。電子レンジの負担減のため。
・電子レンジの使用中は、料理を作りながらで良いのですが、音、臭いに注意し、決して離れないこと。
・水拭き。10分くらい経過すると、レンジの内部に水滴が飛び、蒸気が上がり、水が溜まりだします。
そのまま放置するとマグネトロンの効率が確実に下がります。
・電子レンジの外にある空気吹き出し口には絶対モノを置かないこと。
・尚、この実験は著者個人のために行っているものであり、安全が第一です。よって、敢えて他者にお勧
めするものではありません。実行する場合、全責任はその実行者が負うことになります。
<残り野菜の保存>
現在、生ゴミはできるだけ水分を切り、野菜くずと一緒に不織布の袋に収め、レンジ用陶器に蓋をして冷蔵室に保存しています。野菜などはそもそも新鮮なので、2〜3日の保存なら全く臭いが発生しません。シンクの網にたまった米なども1日放置せずに、溜まったらすぐに同じ不織布に入れ、レンジ容器に蓋をして冷蔵庫にしまい、冷蔵することが大事です。夏場は、外の環境にある場合は、少量の生ゴミでも1日で悪臭を放つようになります。
ただし、当日のゴミが300〜400gになったら、冷蔵せず、食事終了後に処理しています。もちろん数日後でも問題ありません。また、200g以下なら20分以内に炭化できるので、少量ずつ処理する方が効率的ですし、レンジの負担も少なくGOOD。
<波状効果>
余談ですが、生ゴミは1週間でも到底1kgに達しません(7/20現在)。
有料のゴミ袋についても、
ゴミ用大袋(30リットル、10枚600円)→ 特小袋(10リットル、10枚200円)
を購入するようになりました。結果としてゴミ袋の代金まで節約(−400円)に成功しました。
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<その他の実験>
・繊維質生ゴミ(トウモロコシ4本分の皮と芯)の減量効果
(ver1.3)
(1)トウモロコシ4本分の皮は430g
200g(2分割)→ 26gと11%に減少
この段階でもトウモロコシの皮は炭化せず、ワラのようにふかふかになった。
(2)トウモロコシの芯 403g
200g(2分割)→ 38gと19%に減少
最後の3分で炭化が促進しすぎ、不織布が溶融、一部発火しました。黒い部分が少し見えたら即
中止。
Ver1.4へ向けて
筆者宅では、2016年頃からある事情で大人用オムツ(尿用120cc)の使用が毎日始まり、さらに2018/6よりパンツ型の使用も始まりました。
糞尿に関しては、子供の頃は筆者の地域はすべて肥溜め=汲み取り式であったため、あれ以上に強烈な臭いはないだろうと思っていましたが、尿用オムツからは尿とは別の鼻を突く異臭が漂っていることがわかりました。
この鼻を突く臭いはなんでしょうか? 調査によると、尿を含んだままのオムツを数日放置すると、尿中のタンパク質がバクテリアなどにより分解された結果、アンモニア臭やイオウ臭を発散するため、ということでした。これでは昔の肥溜めと同じこと。なるほど、消毒・消臭のためによくサンポールを母親がトイレ内に撒いていました。今度はその発生源が自分になるとは・・・
ま、それはともかく、対策としては、オムツを放置せず、早いうちに熱処理すればよいのですが、出来ないことも多いので、臭い対策として効果のあるクエン酸(120g、100円)を水溶化して霧吹きで吹いてからレンジ処理すればよいと思われます。
まぁ、その前に、オムツ処理用の電子レンジを入手しましょう。
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