実験回路は、スイッチにより放電を行う方式(実験回路1)とトライアックにより放電を行う方式(実験回路2)の2つを準備する。
6.1 実験回路1のブロック図
実験回路1のブロック図を図6.1に示す。
図6.1 実験回路1のブロック図
注)電源スイッチは無くとも良い。
・使用部品
6.2 実験回路2のブロック図
実験回路2のブロック図を図6.2に示す。
図6.2 実験回路2のブロック図
注)電源スイッチは無くとも良い。
6.3 コイルの製作
コイルの製作は重要である。コイルの出来次第で1円玉の飛距離が決まるからである。そこでなるべく簡単に作れるように専用の冶具を作った。
(1)冶具の外観
図6.3a 図6.3b
完成した冶具の外観を図6.3aに示す。
(2)使用部品
図6.3bに使用部品を掲載した。
・1mm厚の塩ビ版(φ30) 2枚
・ネジ 3mm、L=20mm程度
・ナット、平ワッシャ 3mm
・スペーサφ3用 長さ3mm,5mm
(3)作成手順
・冶具(図6.3a)を準備
・巻き始めの穴から10cmくらいの引き出し線を取り出す。
・できるだけ均等に巻いていく。(磁場をできるだけ一様にするため)
・巻き終わったら、引き出し線用に明けた穴から10cmくらい線を出しておく。
・側面にセメダイン(透明)を塗って乾燥を待つ。(約1日)
・中心のφ3のネジをはずす。
・側面のプラスチックの板をカッターなどを使って、注意深くはずす。
・クリアファイル(厚さ約0.25mm)をコイルより大きめに切り出す。
・コイルの両面にセメダイン(透明)を塗る。
・切り出したクリアファイル断片をコイル両面に貼り、万力で軽く固定する。
・乾燥を待つ。(約1日)
・翌日、コイルを万力からはずし、クリアファイル断片をコイルに沿ってカット
[3個製作]
コイル1 コイル2 コイル3
尚、コイル3には、市販のミシン用ボビン(プラスチック製)を使用した。
(100円ショップにあり。)
6.4 トライアックについて
今回使用するトライアックBTB24−800CW(SGSトムソン社製)の仕様を表6.4に示す。
表6.4 BTB24−800CW規格(抜粋)
で囲んだ3箇所が重要な項目である。
第一がサージ電流(非繰返し時)の最大値である。これが250[A]/260[A]あり、電流面では問題ない。
第二がゲート電圧、ゲート電流の最大値である。前者が1.3[V]、後者が35[mA]となっている。
第三がオン抵抗である。その最大値は16[mΩ]と非常に小さく、100[A]の電流が流れたときの電圧降下も1.6[V]程度と300[V]に対して無視できる程度である。
この中で、ゲートの電圧、電流の最大値には注意が必要だ。既出のHPでは規格をよく読んでいないものが多い。さらに、トライアックのゲート処理をしていないものも多い。これが浮いている状態が存在すると、わずかな条件でオンしてしまう可能性がある。ゲートは数キロ〜10KΩの抵抗でグランド、つまり電池の−(マイナス)に常に接続しておかねばならない。
ちなみに高電圧充電用のコンデンサのマイナス極は使えない。回路の構成上、電源のマイナス極と高圧電源のマイナス極は共通ではないからである。
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