Introduction
 

ガリレオ・ガリレイ

(1564〜1642)

−新しいものの見方方法論の登場

ルネッサンス期を代表する最後の人と言われたガリレオ・ガリレイが、ピサの斜塔で落体の実験を行ったことは大変有名です。(真偽はともかく!です。)

これにより、重量の異なる物体を落下させてもほとんど同時に地面に衝突することが確認されました。

しかし、余りに現象が瞬時に終わってしまうため、ガリレイはいかにして調べればよいか検討し、斜めににした台に球体を転がり落とし水時計で時間を計測する方法を考案しました。

更に、落下後の物体の運動も調べて、ニュートンの運動方程式の第一、第二法則まで気づいていたことが、研究ノートや研究者により指摘されていますが、残念ながら方程式化するまではいたりませんでした。

それでもこれは正に実験物理の始まりといってよいでしょう。

高さ55m!この高さじゃ、ナナメだし、やたらのりだしたら落ちまっせ!

 

 

ジョルダノ・ブルーノ

(1548〜1575)

20世紀にようやく名誉回復しました!

 

−矛盾と偽善に満ちた世界への反乱と先駆者ゆえの苦悩

当時は、思考のみを優先したアリストテレス学派による自然界への解釈が支配的であり、実験は不要とされていました。地球の自転でさえも、今手から離したものがなぜ異なった場所に落ちないのか、といった反論にさえ明確に答えることができず、認められなかったのです。

ただし、皇帝付き数学者・天文学者として認められていたガリレイらには、あくまで数学上の仮説として地動説を発表することが許されていました。不思議なことに。

当時、天文学者ジョルダノ・ブルーノは地動説をガマンできずに公表し、審問にかけられても自説を曲げなかったため、恐ろしいことに生きたまま火あぶりの刑に処せられました。27歳の若さでした。

そのため、ガリレイケプラーもお互い交流を持ち、新説を確認しながらも、事実を公表することには大変慎重でした。

それでもかれらの研究は新たな時代の要請でもあり、且つかれらの意思に関わらず、旧体制への反乱の始まりでもありました。

思考し且つ実験により現象を証明する手法の復活は、ヨーロッパの千年の暗黒時代の終焉が近ずいている証拠でもあったのです。

が、残念ながら、その後のガリレイの苦悩の後半生は見るに余りあります。

それは彼の最後の書と研究書が物語っています。(スティルマン・ドレイク著「ガリレオの生涯1〜3」など)

また、ガリレイより若く、ニュートンへの大きな遺産を残したケプラーも後半生は苦悩の連続でした。

多額の出費もさることながら、未払いの自分の給料を回収するべく自ら旅に出るのですが、不幸にも旅の途中、あえなく客死してしまいます!(当時、現代で言う科学は食べていける職業ではありませんでした。)

ガリレイより早く死去してしまうとは一体誰が想像したでしょうか?ガリレイも大変悲しんだといわれています。

1789年7月14日

フランス革命の波〜

バスティーユ牢獄襲撃

〜そして薔薇は美しく散った!・・?どこかで聞いたような・・・

 

−無知から知の時代へ

 さて、その一方でガリレイのすばらしさは科学上の貢献のみではありません。現代に伝わる彼の著者を読むと3人の会話による口語体であることに気がつきます。

当時は宗教者、貴族、天文(数学)に携わる知識人らは文書をラテン語で書くのが普通で、庶民のことなど念頭にありませんでした。

が、ガリレイは世界で始めて科学書を庶民の使うイタリア語の対話形式(口語)で書き、出版したのでした。

正に、科学の社会への普及という重要なことがらを成し遂げていたといえます。ガリレイ迷信の中に生きる庶民を啓蒙し、数百年後の革命に連綿とつながる自由の種をまいたともいえます。

アイザック・ニュートン

(1642〜1727)

 

 

 −解析の世代へ

  かくして、ガリレイの業績はその弟子のトリチェリパスカル(大気圧の発見とその解釈の話はすばらしい発想の転換です!)らにより引き継がれ、終にはオイラーニュートンライプニッツらにより近代科学として開花したことは、多くの人々の知るところです。

 また、奇しくもガリレイの亡くなった年、ニュートンが誕生したのでした。

 

 

−身近な現象を再考

 さて、ガリレイらの話で長くなってしまいました。ただ、多くの先人たちが身近な現象をきっかけにして驚嘆すべき洞察力と論理的手法を創造することにより多くの偉業を成し遂げたことは事実です。

そんな偉大な先人達に倣うのはおこがましい限りですが、既に多くの自然現象が科学的に解明され、また解明されつつある今日であっても、あらためて身近な問題を考えてみるのも楽しいのではないでしょうか?

 

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