Device for flying a coin/1円玉飛ばし装置の原理と実験


















図5a 使い捨てカメラ


 
図5b 内部基板

  コインを飛ばすためのコイルは、関連するホームページを見るとほとんど渦巻状になっている。このコイルだが、一見して、直流抵抗は0Ωに近く、インダクタンスは数μHもないのは明らかである。この程度のインダクタンスで強い磁場を発生させ、コインに渦電流を発生させるとなると、相当大きな電流を瞬間的に流さねばならない。瞬間であっても、100[A]、200[A]を越えるようなことになれば、何度も実験しているうちにコイルが焼損する可能性もある。
 
 当然のように、関連するHPではドライブするための高電圧発生器にイグニッション用の自動車部品やブラウン管テレビの高圧トランスを使用していた。いづれも大掛かりで危険なものばかりである。AC100Vを整流してコンデンサに充電する例もあったが、電気工事の知識も無いまま、絶縁対策もせずに製作することは、これもまた例に漏れず危険である。

 安全対策が取りにくものや入手が困難なものは一般的ではない。
 コイルについては、数百[μH]〜数[mH]前後のインダクタンスを持たせればよく、市販の電線(φ0.4、軟銅線)が近くのホームセンターで入手できるし、ドライブ回路も身近にある使い捨てカメラの基板セットが最適だろう。  


 最近は使い捨てカメラもリサイクルの渦の中に組み込まれており、残念だが、それを個人で入手することはできなくなっている。去年はもらえたのだが、今年(平成17年現在)、7件ほどのカメラ店に問い合わせたが答えは皆同じであった。使い捨てカメラの基板を使用するのも、一般的ではなくなりつつあるといえる。最終的にはDCDCコンバータを組むほうが簡単で早いだろう。


 今回は実験室に使い捨てカメラの在庫があったので、これを使用することにした。使い捨てカメラの基板ならばほぼ改造することなく、その機能を100%活用できる。
 実験回路は2つ用意する。1つは、実験回路1としてスイッチにより放電を行う回路、もう一つは、実験回路2としてトライアックにより放電を行う回路である。

 実験回路1のブロック図を図5.1に示した。コイルの他に負荷がないので最大の出力電流を得られる。だが、何度か使用しているうちに火花が飛んで接点が融着してしまう可能性が高い。
 実験回路2のブロック図を図5.2に示した。実験回路2は安全性と耐久性を考慮して、トライアックを使用した。

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