5.知の探求者たち
さて、過去に著名な物理学者がこれに興味を持って分析を行った例があります。
何故色が見えるのかについては、ヤングとヘルムホルツによって説かれた3色説を基本として、現代では更に発展させた近接視細胞による相互影響や連動などが指摘され体系化されています。
一方、ヘリングによる反対色説もあり、物質色により光の特異な波長領域において化学反応(分解反応)が起こることを指摘し、網膜の黄青物質、赤緑物質、白黒物質は各々のスペクトルをもつと説いています。
が、これ以上詳しい説明は困難なのでここでは省かせていただきます。更なる理解を求める場合は文献(岩手大学の先生の研究など)をお勧めします。
ただここで驚くべき事は、物理学界では有名なヤングとヘルムホルツが研究を行ったことです。
同じ物理学者の(朝永氏、シュインガー氏と共にノーベル賞を受賞した)ファインマン教授が著書「ファインマン物理学」の中でページを割いていることからもその探究心には実に敬服するものがあります。
もっとも1950年頃といえば、ノーバート・ウィナー博士(18歳でドクター取得/バートランド・ラッセル教授に師事)が発表した「サイバネティックス」(初版)があります。
初版から二版にいたる14年間に明らかになった点等は、本人もさることながらスティーヴン・ストロガッツ氏の「SYNC」でも解説されていますが、「サイバネティックス」を読むと、制御工学(フィードバック)と脳や神経系医学、情報理論と物理学(情報の蓄積と量子力学の縮退との関連への直感は実に面白い)、社会や哲学とフィードバックの関連等々といった広範な分野について、優れた数学的直観力を駆使して研究していますから、ファインマン博士も熟読しさまざまなインスピレーションを受けていたのではないでしょうか?
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
参考文献:色彩学の基礎、山中俊夫著(1997)、他。
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